民事
民法651条1項は、委任契約の任意解除を定める。委任契約は信頼関係に基づくもので、委任関係にありたくないと思ったのであれば、損害賠償義務の問題はおいておいて、契約を解除して契約の拘束力から解放される自由を認めましょうという制度である。 ところが…
【事例】 Aは、B会社のプロジェクトリーダーであったところ、ある日、Cが運転する自動車にはねられ、3ヶ月の入院治療を要する重傷をおった。このため、B会社のプロジェクトは頓挫することになり、B会社は、見込まれていた1000万円の利益を受けることができな…
【はじめに】 債権法改正には、大きく分けて3つのカテゴリーがある。すなわち、 判例法理の明確化 通説的な理解の明確化 実質的なルール変更 である。これらのうち、前二者については、これまで民法を勉強したことがある人であれば、過去の遺産である知識を…
【はじめに】 民事訴訟と言えば、多数の傍聴人がかたずをのんで見守る中、公開の法廷に裁判官と当事者が集まって、事件について、口頭でアツい議論を進める…なんていうイメージを持っている人はさすがに多くはないかもしれない。 そこまではいかずとも、民事…
今回は,ちょっとした夏休みの自由研究ということで、氏名冒用訴訟についてみていこう。 通常,民事訴訟では,当事者が誰になるかが問題になることはほとんどないため,氏名冒用訴訟は限界事例であるが,考え方を理解しておくことは重要である。 氏名冒用訴…
債権法改正における債権者代理権を,今更ながら復習してみよう。もともと債権者代位権は,現行法上,423条が1か条定めているだけのものであるにもかかわらず,判例によってさまざまなルールが設定されており,債権総則を学ぶ際にも大きなトピックの中の…
英文契約書の中で、counterparts条項がある。いろいろな本を読んでも今ひとつ意味がわからなかったので、ノートにまとめておくことにする。 【サンプル条項】this agreement may be executed in one or more counterparts, each of which shall be deemed an…
福岡高裁平成29年5月18日(判例時報2346号81頁)の感想 遺産分割事件において厄介なのが,代襲相続や再転相続があった場合に特別受益の主張がある場合である。上記裁判例は,この問題を扱うもので,特段目新しい争点に関するものではないが,高裁…