へーつぁんの自由研究日記

「大人だって知らないことだらけ。興味のあることをきちんと調べたい。」

「子供の貧困」問題に対する意見

年末にかけて,「子供の貧困」という問題をよく目にします。そこで,ごく簡単に自分の意見をごく簡単に述べたいと思います。

 

第1 要約

 1 「子供の貧困」は重大な問題である

 2 貧困レベルの子供の多くは,ひとり親である

 3 ひとり親が貧困レベルである要因の一つに,養育費の不払がある

 4 養育費の不払は,日本の養育費の徴収制度にも原因がある

 5 アメリカの制度では,養育費の支払は行政による手厚いサポートと,司法による強制がある(払わなかったら逮捕されたり,パスポートや運転免許を取り上げられる。)

 6 「子供の貧困」の解決は,第一義的には,子供の両親による援助,すなわち養育費の支払によって解決されるべきである。それが機能しない場合に初めて,税金による填補をすべきである。

 

第2 各論

1 「子供の貧困」は重大な問題である

もし,貧困のために満足な教育が受けられないとしたら,それは大きな問題といってよいでしょう。教育が個々の子供の成長にあたって重要な要因となるだけではなく,将来の日本の成長という側面にも関係するといえます。

例えば,シンガポールは,国土の非常に小さな国ですが,子供の教育に非常に力を入れています。その成果でしょうが,海外の大学における成績優秀者に占めるシンガポール人の割合は,非常に高いと聞きます。世界がものすごい速さで動く中,優秀な人材は重要であるといってよいでしょう。日本は,過去の栄光にしがみついていることはもはやできません。今後,国全体としての成長に真剣に取り組むべきでしょう。

 

2 貧困レベルの子供の多くは,ひとり親である

ニュースなどで見る貧困レベルの子供の多くは,いわゆるシングルマザーでした。もちろん,両親健在でありながら貧困である子供もいるでしょうが,少数ではないでしょうか。調べていませんが。

 

3 ひとり親が貧困レベルである要因の一つに,養育費の不払がある

ひとり親で,養育費の支払を受けているのは,わずか2割という統計があるようです(真偽のほどは定かではありませんが)。どう考えても,ひとり親が貧困である要因の一つになっているとしか言いようがありません。

 

4 養育費の不払は,日本の養育費の徴収制度にも原因がある

日本において,養育費の支払を任意に受けられなかったら,どうすればよいでしょうか。

裁判所に行って,差押の手続をするのです。差押をするためには,相手の住所,職場,財産などを知らなければなりません。

分かれた配偶者の住所ってどうやって知るんですか?どの銀行支店に預金通帳を持っているか知っていますか?今の相手の職場を知っていますか?こんなの,あきらめる人が多いのに決まっています。やりたくないですし,やろうとしても非常に難しいのが普通です。

 

5 アメリカの制度では,養育費の支払は行政による手厚いサポートと,司法による強制がある(払わなかったら逮捕されたり,パスポートや運転免許を取り上げられる。)

アメリカにおける養育費の支払制度は,手続が簡単である上に,非常に厳しいです。以下の論文を見つけましたので紹介します。

https://ksurep.kyoto-su.ac.jp/dspace/bitstream/10965/930/1/SLR_46_3_450.pdf

大きな違いは,養育費の徴収は,行政が担当しており,親が自ら手続きをする必要がないという点と,養育費の不払いに対する制裁が非常に厳しいという点です。ほかにも,父親が行方をくらましても,どこかの職場に就職すれば,その情報を行政が把握し,賃金の差押をすることができます。養育費を支払わなかったら裁判所に呼び出され,呼出に応じなかったら,逮捕され,具体的な支払計画を裁判官の面前で立てなければなりません。養育費を支払いたくないから認知しないなどという主張は通らず,遺伝子の検査を受けさせられます。

やりすぎだと感じる方もいるでしょう。確かに,アメリカの制度をそのまま日本に導入することはできないかもしれません。しかし,肝心なのは,養育費は「子供の福祉」のためにあるとい点です。子供の養育は,親の完全な自由にゆだねられているわけではないのです(例えば,親は子供に教育を受けさせる義務を,憲法上負っています。)。こどもの養育は,親の「責任」なのです。この観点からすれば,父親が誰なのか言いたくないとか,子供を認知したくないといった主張は,いかにも身勝手なものだといえるのではないでしょうか(もちろん,性犯罪の結果だとかそういった極端な例は除きますが。)。

 

 6 「子供の貧困」の解決は,第一義的には,子供の両親による援助,すなわち養育費の支払によって解決されるべきである。それが機能しない場合に初めて,税金による填補をすべきである。

さて,ニュースを見ていると,「子供の貧困」を解決するために,義務教育の制服や教材も含めて無償にすべきだとか,貧困レベルの子供には大学の学費も減免すべきだとか,補助を手厚くすべきだとか,いろいろな主張があります。これらの財源は,もちろん,国民から公平に集められた税金です。

しかし,先に述べたとおり,子供の養育をする第一次的な責任は,国家ではなく,親が負っているはずです。そのうち,養育費を支払っていない親がどれほどいるでしょうか。この第一義的な責任を果たさせるようにする制度を軽視したまま,国家がいかに貧困レベルの子供を救うかという議論をしたとしても,賛同を得られるとは思えません。

まずは,養育費制度の改革が急務である,そう私は考えます。

もちろん,養育費が得られない場合もあるでしょう。その場合には,税金による補助をすべきだと考えます。八方塞がりな場合には,子供に対する第二次的な責任を負っている国が手を差し伸べて,子供に対する教育責任を果たしていくべきでしょう。