へーつぁんの自由研究日記

うだつのあがらない法曹の日常

議論をすること

仕事上,議論をすることは避けられないし,避けるつもりもない。ところで,最近は,民事訴訟では口頭主義の形骸化が唱えられているらしい。実質的な争点整理がなされていない,ともいう。

さもありなん,というのが率直な感想かな。大きな問題としては,争点整理の理想像が,裁判所と当事者との間で共有されていないのでは,というのがあるように思う。ゴールが定まらないのに,それに向かった努力は望めないだろう。

共通言語である要件事実を基本に据えた上で,争点を中心にした議論をし,設定した争点についても,主要事実レベルだけでなく間接事実レベルまで掘り下げた議論をする,こうした点を当事者が理解した上で簡にして要を得た書面を提出し,裁判官は求釈明をするなどして口頭議論をリードし,議論を通じて当事者との理解を共通化し,その結果を調書に残す。

おそらく,エッセンスをまとめるとこんな感じだろうか。

 

頭で何となくわかっていても,なかなかうまくできないのは仕方がない。当事者としては,裁判所のリードに任せきりにならず,議論がかみ合っていないと思えば,積極的に裁判官に議論を吹っかけていいと思うし,裁判官としては,書面だけで分からないところは恥ずかしがらずに当事者に聞けばいいと思う。そういった,何でも話すことができる雰囲気が当たり前になってくれば,変わっていくのだろうか。

公開法廷でやりにくいとしても,弁論準備くらいではもっと話してもいいと思う。

 

書いていて思ったが,偉そうなこと書いてんな 笑

いいんだ,黙ってるよりは。きっと。