へーつぁんの自由研究日記

うだつのあがらない法曹の日常

最近読んだの自己啓発系の本の特徴から考える法曹の使命

最近,YOUTUBEで便利な動画が上がっている。本のまとめシリーズだ。サラタメさんとかアバタローさんとか,いろいろな人が本の要点を簡潔に教えてくれる。

それを踏まえてもう少し知りたいなぁと思った時に,キンドルで本をその場で購入できる。便利な世の中になったものだ。

20冊以上の本のまとめを聞いていて,なんとなく共通しているなぁと思ったのは,「コモディティ化しない」「とがった分野を持つ」「自分の軸を持つ」「自分の大事なものを理解する」「挑戦を恐れない」「仮説に基づいて行動する」などなど。

要するに,「他の人に埋もれない自分の価値を持つことが重要。そのためには,自分が大事だ・得意だと思うことを恐れずやってみる,すると,結果は自然とついてくる」ということを,いろいろな角度から言い換えているのだなぁと感じた。その背景には,グローバル化に基づく価値の流動性の速度が上がっていること,があるということだろう。

 

そこで,自分の軸はいったい何だろうか,と問うてみる。修習生までの頃は,なぜ法曹になりたいかについては,正直真剣に考えていなかった。みんな勉強しているし,弁護士になればもうかるかなぁくらい。しかし,実務に入りいろいろな事件に関与してきて,感じたことがある。

それは,法曹の役割は,「当事者の止まった時間を動かす」ということだ。

法的紛争は,当たり前だが,過去に起こった紛争である。これを解決できないでいると,当事者は,多くの時間を,過去を振り返ることに費やす(そして,その多くは生産性が高くない。)こういう当事者は,先に述べた,自分が大事だと思うこと,自分が得意だと思うことに費やす時間がどうしても減ってしまい,ひいては,その当事者の生産性を大幅に下げてしまう恐れがある。当事者は,過去の紛争にとらわれてしまうものだ。これは,当事者にとって,ひいては日本の経済にとって,良くない。

そこで,法曹が,当事者の法的紛争をいち早く解決することを補助することで,ようやく,当事者の時が動き出す。

どうでもいいが,ふと,ジョジョに出てくるデュオを思い出した。「時よ止まれ,ザ・ワールド」「そして時は動き出す」という感じだ。

自分の怠惰は,当事者の時の硬直を伸ばすことになる。だから,私たち法曹は,全力で走らなければならない。