へーつぁんの自由研究日記

うだつのあがらない法曹の日常

裁判官が持つべき感覚

読売新聞の記事で、大学も収益力を求められるようになっている、というものを見た。なんとなく、学問は経済分野から切り離されたところにあり、経済的合理性とは関係なく、じっくりと研究活動、思想活動に従事するものかと思っていたが、最近は、研究成果等をしっかりとアピールして、予算を得ることが重要らしい。学問を一生懸命やっているだけでは、支えてもらえなくなる世の中になっている。

 

別の記事で、国家予算について、歳入の増加も大切だが、歳出について、融資がどの程度効率的なのかを検証し、歳出管理をしていかないといけないというものがあった。上記で述べた大学への視点も、その流れに沿うものだろう。

 

さて、所変わって裁判所だが、裁判所は国家機関であるものの、特に民事訴訟は、経済活動と比較的結びついている。家事事件もそうかな。裁判の迅速化とはよく聞くけど、裁判が遅いってことは、それだけ紛争解決が遅いということで、さまざまな資源を使うことになる。お金だけじゃなく、いろんな意味でのエネルギーも。紛争の早期解決の重要さは、弁護士も当然頭に置かないといけないが、特に裁判官に申し上げたいのは、紛争の早期解決という意識を強く持ってほしいということ。単に期日を乗り切るだけの訴訟指揮をしていると、それだけ国民の経済活動にダメージを与えるということを忘れないでほしい。紛争解決のあり方を念頭に置きつつ、常に当事者をこの時間から解放するためにはどうすればいいかを考えてほしい。

 

だらだらやっていると、国民みんなが頑張っている中、裁判所はなんなんだ!ということになり、ひいては裁判所への信頼をうしないかねない。

 

…とまぁ、この記事はほとんど自分に対する戒めだが。今回の新聞記事を見て、自分がそう思ったってことは、自分に紛争解決の意識が低かったことに気づいたからなんだろう。

 

さー、今日も頑張るぞー。