2018-01-01から1年間の記事一覧
米国で中間選挙の結果がいよいよ明らかになろうとしている。最近の世界情勢をみていると、ポピュリズムが台頭してきたと感じる。ドイツでは難民排斥を掲げる政党が勢力を伸ばしているし、トランプ大統領も、移民排斥を訴えたり、メディアを執拗に攻撃し、い…
読売新聞の記事で、大学も収益力を求められるようになっている、というものを見た。なんとなく、学問は経済分野から切り離されたところにあり、経済的合理性とは関係なく、じっくりと研究活動、思想活動に従事するものかと思っていたが、最近は、研究成果等…
本務ではないが,戸籍について少し調べたので備忘録をば。 【事例】 田中Aは,父親のしれない子Bを出産し,田中Aは,新戸籍を編成し,Bもその戸籍に入籍した。その後,田中Aは,佐藤Cと婚姻し,佐藤Aと氏を改めた。また,佐藤Aと佐藤Cは,共同でBを養子とし…
小山剛慶応大学教授の憲法に関する記事(判例時報2360号)を読んでの感想 入れ墨を彫るには医師免許が必要であり,医師免許なくして入れ墨を入れた場合,医師法17条に違反する。大阪地裁平成29年9月27日判決は,この結論を認め,被告人を罰金15…
【設例】 Aの両親BCは,Aが幼いころに離婚し,Aは,母親Cによって女手一つで育てられた。数十年後のある日,Aは,Bの後妻Dから,Bが死亡し,目立った財産もないので,相続放棄をしたらどうかとの連絡を受けた。Aは,Bとは全く連絡も取っておらず,Bに何の愛…
法律の初学者は,法律ってよく分からない難しい,どう答案を書いてよいか分からないというイメージを持っているかもしれない。 そこで敢えて言おう,法律学はRPGに似ている。例えば,ドラクエⅢでラーミアをよみがえらせたい場合には,世界中に散らばる7つの…
昨今,少年事件においても,大麻使用の事件がちらほらみられる。その少年らの意見としてたまにあるのが,「大麻の害はタバコやアルコールよりも低い。大麻は合法化されている国もある。規制する日本の制度がおかしい。」というものである。断片的な情報を集…
【設例】 AB夫妻は,共働きの夫婦で子供1人を養育していた。ある日,Aの兄Cが過労により精神障害を発症してしまい,治療のため,子供D(2歳)に対する養育を充分にすることができなくなってしまった。AB夫妻は,Dのことを可愛そうに思い,Dを養子に迎え,A…
【設例】 A(昭和35年生まれ)とB(昭和40年生まれ)は,平成3年1月1日に婚姻した。Aは,婚姻中,会社で勤務し,平均して年収600万円を得ていた。Bは,パートで働き,平均して年収150万円を得ていたほか,家事育児を主に担当していた。ところが…
訴因変更の可否って難しいですよね。正直学生の頃は全然理解していませんでした。そこで,復習の意味も込め,実務の経験を踏まえて自分なりに整理してみました。異様に長いですが,訴因変更の可否が分からないという方に少しでも参考になればと思います。た…
***結論だけ知りたい方向け*** 結論からいうと,平成30年6月1日です。これまでは,死刑、無期又は長期3年を超える懲役又は禁錮に当たる犯罪につき勾留されている被疑者について国選弁護人を付すことしかできませんでしたが、平成30年6月1日からは,…
【事例】Aらは,深夜,個人Cが経営する小さな居酒屋でお酒を飲んでいた。Aらの隣には,Bらがおり,Bらが先に席を立った。ところが,Bは,自分の席に財布を忘れたまま帰ってしまった。Aらは,そのことに気づき,Bらが帰ってこないかを観察し,Bらが帰ってから…
少年事件では,刑事事件とは異なり,一件記録がすべて裁判所に提出される。そのため,裁判所は,少年が否認する供述をしていても,一件記録上,非行事実は十分認定できるとして,証人尋問を実施しないまま少年を保護処分に付す,という事態が生じる。 実際,…
今回は,少し毛色を変えて少年事件の処遇選択について勉強してみよう。 少年事件の処遇としては,一般的に,審判不開始→不処分→保護観察→少年院送致という順に重くなっていく(検察官送致,児童相談所長等送致,児童自立支援施設等送致もあるが,ここでは省…
マイナー論点として,刑法110条の客体を限定して,点火材料として用いられるような紙片などを除くべきか,というものがある。 110条の客体を限定すべきとする説は,それ自体を焼損することに意味のあるような物に限定すべきだ,などと主張する。これに…
Aは,通行中の女性Vに対して,Vの不意を突いて突然キスをして逃走した。 こんな場合,頭に浮かぶのは,強制わいせつ罪だろう。ところが,刑法上,強制わいせつ罪の条文は,以下のようになっている。 「13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな…
入手しました,調査官解説。担当調査官は齋藤毅判事(51期)。最近の調査官解説は,一定の方針があるのか分かりませんが,短いものが多い印象を受けていた中,力作の52頁。読むのが大変だ(半分くらいは注だが。) せっかく読んだので感想をば。 大法廷…
福岡高裁平成29年5月18日(判例時報2346号81頁)の感想 遺産分割事件において厄介なのが,代襲相続や再転相続があった場合に特別受益の主張がある場合である。上記裁判例は,この問題を扱うもので,特段目新しい争点に関するものではないが,高裁…
この間、灘中学校を目指す小学生のテレビ番組を見た。見事合格を勝ち取っていた。 ちょうど、学習塾が出している新聞広告で、灘中学校の算数の入試問題があったから、1時間くらいかんがえてみたところだった。結果は、見事惨敗…もともと、中学校入試をしてい…
TOEICが出来ても英語ができるとは限らないとはよく聞く。 実際そうである。TOEIC満点とかは、本当に通過点に過ぎない。 このことをまざまざと突きつけられたのは、この前テレビでみたスポンジボブ。試しに副音声にして聞いてみたところ、マジで言ってるかわ…
新年の抱負は、英語でnew year’s resolution という(たしか)。一年の始めに、改めて自分が何をしたいのかを意識することによって、充実した日々を過ごすための第一歩とすることは、どこの国でも同じなんだろうか。 さて、常々自分が何をしたいのかわからない…