へーつぁんの自由研究日記

うだつのあがらない法曹の日常

THE TEAM 5つの法則の感想

今回は、チームの力をより強くするためにはどうすれば良いかということで、標記の本を読んでみた。

 

正直、私はチームワークが苦手だ。また、なぜ苦手なのかもよくわからない。現状、チームでの仕事をするときに、自分の立ち位置がよくわからなくなることがある。そこで、少しでもパフォーマンスを上げられればと思い、この本を手に取ってみた。

 

本書の核となるのは、題名となっている5つの法則を記載した第1章から第5章だが、参考になるなぁと思った点だけ書き留めておく。

 

1つ目は、目標の設定の仕方には、程度があり、目標の程度によってチームメンバーの自由度が変わるという点。本書によると、目標は行動目標<成果目標<意義目標の3種類に分けられ、この順にどんどん大きなものになっていく。行動目標の例は、「チームに関する本を〜までに出版する」というもので、成果目標の例は「本を10万部売る」というもので、意義目標の例は「日本全体のチーム力を高める」というものだ。面白いなぁと思ったのは、行動目標はもっとも具体的であるが、やることが明確すぎて硬直的になってしまう一方で、意義目標は、抽象的であるがゆえにその達成手段は変化しうるというものだ。これまで、目標は出来るだけ具体的な方がいいに決まっていると思ったが、まぁ、ケースバイケースで考えないといけないなと思った。チームメンバーが柔軟な思考方法を持っている場合、行動目標のみ与えることは、かえってチーム全体のパフォーマンスを矮小化してしまう。また、行動目標は、社会の変化に柔軟に対応できない(例えば、本を出版することのインパクトが小さくなるような変化があった場合には、行動目標を変えなければならないが、上位目標がないと、一貫した対応ができない。)。そのため、チームには意義目標の設定も重要だ、とのこと。意義目標があるチームは時に強い。一貫したフィロソフィーのもと、様々な手段に挑戦できるからだ。

話は逸れるが、就職活動とかでも、テストでよくできました、ではなく、一定の理念を実現するためにどう考えて行動したかってのを提示できると魅力的なんだろうと思ったりする。その人の一定の価値観とそれに基づく実行力が見れれば、なんか魅力的に見えて来るような気がする。

 

2つ目は、ルールの量。ルールは、少なすぎては決まりがないようなもので困るが、逆に多すぎても運用が硬直的になってしまいよくない。そして、ルールの量がいい感じの場合、チームはルールにない部分を補うためにコミュニケーションを利用するのだとか。そのため、敢えてルールを定めないことで、チーム内の自由な最良によるコミュニケーションを促進してはどうか。メンバーにもよるが、趣旨に沿った行動をしてくれる信頼をおけるメンバーなら、あえてルールを定めないというのも、一つの手段なのだと思った。

 

全体的に、共感できるなぁと思うところと、うーんと思うところが分かれる本だった。成功体験としてはいいけど、一般性はそうないかなぁという印象。具体例がやや強引だという点も気になったかな。目標に関する部分は、「なぜ、大きな目標を共有する必要があるのか」という問いに対する一つの答えであり、なかなか良かったかな、でも。